2015年2月に英国のウィリアム王子が本宮市のスマイルキッズパークをご来訪され、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故により被災した子どもたちを元気づけてくださいました。
スマイルキッズパークは、復興と子どもたちの体力向上を目的に整備された施設です。市では後に、愛称として『プリンス・ウィリアムズ・パーク』を使用することについて英国王室からご公認いただきました。
▲ウィリアム王子の本宮市訪問
同年7月に英国ロンドンで福島庭園3周年記念式典が開かれました。福島庭園は、震災からの早期復興を願ってケンジントン&チェルシー王立区ホランドパークに造られた庭園です。内堀福島県知事も出席された福島庭園3周年記念式典で、当時のケンジントン&チェルシー王立区長から「福島に英国庭園を」との提案があり、満山ロンドンしゃくなげ会長をはじめ多くの関係者のご尽力を経て、プリンス・ウィリアムズ・パーク内に英国庭園を整備することになりました。
英国庭園完成に先立ち、2017年7月に高松本宮市長を団長とする「未来へつなげる もとみや英国訪問団」が渡英し、福島庭園と英国庭園の間に姉妹庭園の覚書を王立区と締結しました。締結式では、鶴岡公二特命全権大使(当時)立ち会いのもと、マリー・テレーズ・ロッシ区長(当時)と高松市長が覚書に署名しました。両庭園を「強く永久的な友好のシンボル」と位置づけ、ケンジントン&チェルシー王立区と本宮市が友好と協力を促進することを約束しました。
▲福島庭園・英国庭園姉妹庭園覚書締結
(左から、鶴岡公二特命全権大使(当時)、マリー・テレーズ・ロッシ区長(当時)、高松市長)
▲姉妹庭園覚書(英語)
▲姉妹庭園覚書(日本語)
同年11月、英国庭園が完成しました。その開園式では、福島庭園・英国庭園の日英両国の関係者が多数出席し、日英友好の懸け橋となる庭園の開園を祝福しました。ポール・マデン駐日英国大使がウィリアム王子からのメッセージを披露されました。また、チャールズ皇太子、メイ首相(当時)、ジョンソン外相(現首相)からもお祝いのメッセージをいただきました。これらのメッセージは、現在英国庭園内に記念碑として披露されています。
▲プリンス・ウィリアムズ・パーク英国庭園開園式
(左から、根本匠衆議院議員、ポール・マデン駐日英国大使(当時)、高松市長、内堀雅雄福島県知事、レディ・ボーリック前英国下院議員、林景一最高裁判所判事(元駐英国特命全権大使))
2019年6月、英国庭園開園記念イベント「英国庭園フラワーフェスティバル」において、英国の各方面において活躍をされている関係者を「もとみや国際交流親善大使」として委嘱しました。英国との関係を強化するとともに、大使には本市の魅力や情報を発信していただきながら、知名度とイメージの向上を図っていきます。
▲高松市長ともとみや国際交流親善大使
(左から、レディ・アーノルド グレーターロンドン副統監、レディ・ボーリック前英国下院議員、高松市長、ロバート・フリーマン元ケンジントン&チェルシー王立区長、満山喜郎ロンドンしゃくなげ会会長)
「未来へつなげる もとみや英国訪問団」に市内中学生や市民が参加し、過去3回にわたり王立区や在英国日本国大使館、UCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)などを訪問しています。
王立区内にあるホランドパーク・スクールと英国オリンピック委員会パラリンピック委員会教育プログラム「Get Set(ゲット・セット)」参加校のダヴェナント・ファウンデーション・スクール2校の生徒たちと昨年行った交流は、参加生徒にとって大変有意義な体験となりました。
▲ホランドパーク・スクールの生徒と日本文化交流
新型コロナウイルスの影響で1年延期となった2021年3月27日、東京2020オリンピック聖火リレーが本宮市でも実施されました。7人の聖火ランナーが、スタート地点のふれあい夢広場からゴール地点の英国との友好を象徴する英国庭園まで聖火をつなぎました。
聖火リレーオープニングセレモニーでは、駐日英国大使館から文化参事官のマシュー・ノウルズ氏にご臨席いただき、駐日英国大使と英国オリンピック委員会CEOからのお祝いのメッセージを読み上げていただきました。
▲ゴール会場の英国庭園で、最終ランナー、サポートランナー、関係者などで行われたフォトセッション
(駐日英国大使館マシュー文化参事官(前列右から3番目)、マシュー文化参事官のご子息(前列右から2番目))
本宮市は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で英国を相手国とする「復興ありがとうホストタウン」を務めました。復興ありがとうホストタウンプログラムは、東日本大震災で被災した岩手県、宮城県、福島県の自治体が対象で、震災時に支援していただいた海外の国のホストタウンとして、復興状況を世界に発信し、相手国と交流を行うものです。
本宮市では、東京大会期間中にコミュニティライブサイトの実施や、市民応援ツアーなどを企画し、英国のチームや選手を応援する予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、実施することができませんでした。
そこで、市民の皆さんにご自宅で競技観戦し、英国チームや選手を応援してもらおうと、「おうちdeライブサイト」を実施しました。多くの市民の皆さんから、応援の写真や動画を投稿していただきました。この写真や動画を一本の動画にして、英国オリンピック委員会とパラリンピック委員会に送りました。
この取り組みに対し、ジュリア・ロングボトム駐日英国大使からメッセージをいただきました。また、英国オリンピック委員会からは、ベン・モスリー氏の絵画、英国パラリンピック委員会からはTシャツなどの公式グッズをお礼としていただきました。
▲「おうちdeライブサイト」に参加する市民の様子
▲ジュリア・ロングボトム駐日英国大使からのお礼のメッセージ
▲英国オリンピック委員会からいただいたベン・モスリー氏の絵画「From London to Tokyo (ロンドンから東京へ)」
本宮市は、過去幾度となく様々な災害に見舞われてきましたが、英国との交流を通して国内外に本宮の元気を発信しながら、グローバル人材の育成と地域の活性化、そして災害からの復興につなげていきたいです。
▲ダヴェナント・ファウンデーション・スクールの生徒と交流する本宮市の生徒(2019年)
▲ダヴェナント・ファウンデーション・スクールの生徒と本宮第一中学校の生徒によるオンライン交流(2021年)